新しい在留資格「介護」

ずいぶん議論されてきましたが、ようやく新しい在留資格ができます。「介護」です。
http://mainichi.jp/articles/20161021/dde/001/010/088000c

致命的な人手不足


厚生省は今年の2016年6月、2020年には20万人、2025年には37万人の介護職員が不足するという試算をだしました。今、日本語を勉強している学生が介護の専門学校を選んで入学して、介護士の資格を取得しても、2020年からしか現場には入れません。4年後の20万人に対応するためには、遅いくらいです。

10年後に37万人もの需要があるわけですから、それが全て外国人で埋まるという可能性もあります。というより、他に埋める手段がありません。そういう意味でも介護を先行させる必要があったのでしょう。

経済連携協定による受入


実は、今までも経済連携協定(EPA) に基づいて、インドネシア、フィリピン、ベトナムから介護士は入っていました。しかし、唯一の斡旋期間を通さなければならず、数的にも限定的でした。

掲載連携協定による受け入れ

経済連携協定に基づく受入れは、外国人の就労が認められていない分野で、二国間の協定に基づき特別な枠組みで行うものです。公正かつ中立に適正な受入れを実施するため、国際厚生事業団(JICWELS)が唯一の受入れ調整機関となり、これ以外の職業紹介事業者や労働者派遣事業者に外国人候補者のあっせんを依頼することはできませんでした。国内労働市場への影響を考慮して、年度ごとの受入れに際して、外国人候補者の年間の受入れ最大人数を設定してきています。

新たな人の流れ


今年(2016年)の春から、新しい在留資格の創設が報道されてきました。工事、農業、観光、飲食と今回の介護などが噂されてきましたが、介護が先行したかっこうです。

今回の決定で普通に留学で来日し、専門学校へ通い、介護福祉士の資格を取得することで、介護施設で働くことができるようになります。今まで、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格でオフィスワークをする以外に働けるルートは事実上なかったのですが、この新設で、日本で働くためのルートが一つ増えたことになります。

本当に介護職員は増えるのか


さて、新しい在留資格ができるのですが、本当に外国人介護士は増えるのでしょうか。というより、37万人もの不足を補えるのか。問題点を考えてみました。

日本人の意識の問題

私の、知り合いにも、介護施設を経営されている方がいます。その方に言わせれば、まだまだ外国人は受け入れられないといいます。

年齢があがるほど、外国人に対して身構える傾向にあり、それこそ、おむつをかえてもらったり、全てを任せなくてはならないため、抵抗が大きいというのです。

一方で、私の事務所にくる難民申請中の方は、ヘルパーの資格を取得し、大活躍しています。しかし、この問題はさほど大きくないと思います。他にいなければ、頼らざるを得ないからです。

待遇の問題

介護業界の低賃金は良く知られたところです。また、人手不足ゆえですが、長時間労働の問題も存在します。

介護現場は介護保険で成り立っています。そのため利用した人数や日数等で、その施設の運営費が決まってしまいます。職員の賃金、施設の運営費などすべてを介護保険から賄います。

つまり、介護施設に委ねられている経営上の裁量はごくわずかということになります。

この問題を解決しないと低賃金の問題は解決しません。外国人だから安くても応募してくれるというのは、最初だけで、いずれ働き手は疲弊しやめていきます。

特効薬になるのか

施設に、介護福祉士が一定数以上いないと介護保険の加算がされません。介護施設にとっては、外国人とはいえ、これらの人材が増えるのは助かるのでしょう。

しかし、介護業界に限らず、一番足らないのは末端の働き手です。職種別にみて一番足らないのは訪問介護員、次にたらないのが介護職員です。今回の改正では、介護福祉士の資格を前提に就労を認めます。しかし、一番不足しているところには人手は回りません。

雑感


こういった問題点はあるにせよ、問題解決の一端にはなると思います。今回の決定は、今後の在留資格の拡大の第一歩に過ぎません。

すぐに外国人が社内にいるのはあたりまえになってきます。
外国人とのつきあい方を、大いに考える必要がでてくると思います。