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労働時間の28時間規制について

J2降格の日

幹部が留学生に就職先をあっせんし、不法就労をさせたという疑いで福島県の日本語学校が摘発されました。

記事ソース:福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20161109-125775.php

28時間の上限規制


入管難民法が定めた上限時間を超えて働くのを助けた不法就労助長罪の疑いです。
外国人をアルバイトやパートで雇用するにあたり、1週28時間という規制がありますので、外国人をアルバイトで雇われる方は十分ご注意ください。

対象の外国人


これは、本来就労を許可されていない在留資格を持っている外国人が、資格外活動の許可をもらって就労する場合に発生します。
日本の在留資格は、身分に付与されるものと、活動に付与されるものがあります。このうち活動に付与される在留資格には、状況によっては資格外活動が認められる場合があります。

資格外活動が認められるケース


就労の資格外活動が認められる主な資格は3つあります。

  • 留学の資格をもつ外国人
  • すでに学校を卒業し就職活動をしている特定活動をもつ外国人
  • 家族滞在の資格をもつ外国人

これらの外国人は、資格外活動を申請し認めれれば、アルバイト、パートで働くことができます。在留カードの裏面を確認してください。


在留カード資格外活動

「原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されているはずです。1週28時間以内であれば風俗営業以外はどんな職業にでもつくことができます。

なぜ28時間なのか


この資格外活動というのは、本来の活動が阻害されない範囲で許可されます。つまり学生の本分は勉強です。学業がおろそかにならない範囲が週28時間だというわけです。

就職活動をする外国人も同じです。法定で定められている週40時間まるまる働いたら、就職活動などしているはずがないからです。

また、家族滞在は、配偶者もしくは親の扶養に入っていることを条件に付与される在留資格です。28時間以上働きたいのであれば、自分自信が働けるの在留資格を取得する必要があります。

28時間の規制の例外


上記3つの在留資格のうち、「留学」の資格をもつ外国人にだけは、一定期間の例外が認められています。夏休み、春休みといったいわゆる長期休暇の期間に限り1日8時間週40時間の労働が認められています。

28時間は個人の総労働時間


この28時間という時間は、個人の総労働時間を指します。会社1社での時間ではありません。留学生が2カ所で働いていることもありますので、ご注意ください。

今回の不法就労の斡旋は、授業料が払えるようにという意図だったようですが、学校の授業料が減るのを防ぐためと考えると、かなり悪質です。
日本語学校、勤務先には、不法就労助長罪が適用され、留学生は不法就労で在留資格が取り消されます。

在留資格は期間があっても活動を伴わなければだめ

関連した話で、学校に入学だけして、通学せず、後はアルバイトをしていたという学生が、入管から呼び出されてから相談にくるケースがあります。

全員が口を揃えていうのが、ビザの期間が残っているから良いと思ったということです。しかし、日本の在留資格は、身分、もしくは活動に対して与えられます。留学は活動に対して付与される在留資格です。

在留資格に指定される活動を3ヶ月以上しなくなった場合には在留資格が取り消される場合があります。期間と活動内容の両方が満たされていないと、日本にはいられないのです。もし、このことを勘違いしている学生がいたら、教えてあげて欲しいと思います。

入管法第22条の4(在留資格の取消)①法務大臣は、別表第1又は別表第2の上欄の在留資格をもって本邦に在留する外国人(中略)について、次の各号に揚げるいずれかの事実が判明したときは、法務省令で定める手続により、当該外国人が有する在留資格を取り消すことができる。

<中略>

6.別表第1の上欄の在留資格をもって在留するものが、当該在留資格に応じ、同表の下欄にあげる活動を3ヶ月行わないで在留していること。



別表第1

上欄:留学

下欄:本邦の大学、高等専門学校、高等学校(中東教育学校の後期課程を含む)若しくは特別支援学校の高等部、専修学校若しくは各種学校又は設備及び編成に関してこれらに準ずる期間において教育をうける活動。

介護福祉士目指す留学生急増

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つい1週間ほど前に新しい在留資格「介護」の新設が発表されたばかりですが、すでに来春の入学を希望する留学生が急増しているようです。

急増する介護留学生


多くの留学生は9月に来日し、1年半程度日本語を学ぶケースが多いようです。専門学校に進学する留学生は、ちょうど1年たった今頃、来春の入学手続をとります。

すでに発表になったため、急遽進学先を変更する留学生も多いようで、国指定の介護福祉士養成機関に入学する留学生は、例年20人ほどだったのが、すでに250人を超える勢いだそうです。

介護福祉士の資格取得条件


この介護福祉士の試験は少し複雑で、養成ルートと実務を経てなるルートがありましたが、養成ルート経由の場合、卒業するともらえた資格だったのが、法改正があり、2022年からは国家試験に合格しなければならなくなります。今は、その過渡期で暫定的に、卒業後、5年間継続して就労するか、または5年以内に介護福祉士の国家試験に合格すれば、資格をえることができます。

在留資格との関係


在留資格も、それにあわせて、卒業、就職によって変更が許可され、5年の就労か、国家試験合格によって在留資格が更新される模様です。

つまり2019年までに入学して、2年間で卒業しなければ、国家試験を受けなければならず、このハードルは日本語でハンディのある留学生には大きな壁です。ですから、この法改正故に、介護の在留資格だけ先行した可能性もあります。

2025年には30万人以上の介護職員が不足すると言われています。この数字では、焼け石に水にも思えますが、まだまだ秘策があるかもしれません。

介護の在留資格で家族を呼ぶには


ちなみに、この記事のソースである毎日新聞の記事には、介護士になって将来は家族を呼び寄せたいというベトナムからの留学生のインタビューを紹介していますが、現状、家族として呼べるのは、配偶者と子供だけです。

当事務所にも、兄弟を呼びたい、両親を呼びたいというような問合せがあります。兄弟については、本人が頑張って、自分自身で在留資格をとるしかありません。

また、両親については、65歳以上で、本国に面倒を見る人がいない、日本で生活保護の対象になる可能性がないなどの条件を満たせば、可能性0ではありませんが、ほとんど不可能です。

日本は、ただでさえ高齢化社会です。留学生には気の毒ですが、さらに高齢者を入れようという政策をとらないのは当然のことともいえます。

外国人雇用のお問合せはこちら

この記事のニュースソース

http://mainichi.jp/articles/20161029/k00/00e/040/238000c

新しい在留資格「介護」

ずいぶん議論されてきましたが、ようやく新しい在留資格ができます。「介護」です。
http://mainichi.jp/articles/20161021/dde/001/010/088000c

致命的な人手不足


厚生省は今年の2016年6月、2020年には20万人、2025年には37万人の介護職員が不足するという試算をだしました。今、日本語を勉強している学生が介護の専門学校を選んで入学して、介護士の資格を取得しても、2020年からしか現場には入れません。4年後の20万人に対応するためには、遅いくらいです。

10年後に37万人もの需要があるわけですから、それが全て外国人で埋まるという可能性もあります。というより、他に埋める手段がありません。そういう意味でも介護を先行させる必要があったのでしょう。

経済連携協定による受入


実は、今までも経済連携協定(EPA) に基づいて、インドネシア、フィリピン、ベトナムから介護士は入っていました。しかし、唯一の斡旋期間を通さなければならず、数的にも限定的でした。

掲載連携協定による受け入れ

経済連携協定に基づく受入れは、外国人の就労が認められていない分野で、二国間の協定に基づき特別な枠組みで行うものです。公正かつ中立に適正な受入れを実施するため、国際厚生事業団(JICWELS)が唯一の受入れ調整機関となり、これ以外の職業紹介事業者や労働者派遣事業者に外国人候補者のあっせんを依頼することはできませんでした。国内労働市場への影響を考慮して、年度ごとの受入れに際して、外国人候補者の年間の受入れ最大人数を設定してきています。

新たな人の流れ


今年(2016年)の春から、新しい在留資格の創設が報道されてきました。工事、農業、観光、飲食と今回の介護などが噂されてきましたが、介護が先行したかっこうです。

今回の決定で普通に留学で来日し、専門学校へ通い、介護福祉士の資格を取得することで、介護施設で働くことができるようになります。今まで、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格でオフィスワークをする以外に働けるルートは事実上なかったのですが、この新設で、日本で働くためのルートが一つ増えたことになります。

本当に介護職員は増えるのか


さて、新しい在留資格ができるのですが、本当に外国人介護士は増えるのでしょうか。というより、37万人もの不足を補えるのか。問題点を考えてみました。

日本人の意識の問題

私の、知り合いにも、介護施設を経営されている方がいます。その方に言わせれば、まだまだ外国人は受け入れられないといいます。

年齢があがるほど、外国人に対して身構える傾向にあり、それこそ、おむつをかえてもらったり、全てを任せなくてはならないため、抵抗が大きいというのです。

一方で、私の事務所にくる難民申請中の方は、ヘルパーの資格を取得し、大活躍しています。しかし、この問題はさほど大きくないと思います。他にいなければ、頼らざるを得ないからです。

待遇の問題

介護業界の低賃金は良く知られたところです。また、人手不足ゆえですが、長時間労働の問題も存在します。

介護現場は介護保険で成り立っています。そのため利用した人数や日数等で、その施設の運営費が決まってしまいます。職員の賃金、施設の運営費などすべてを介護保険から賄います。

つまり、介護施設に委ねられている経営上の裁量はごくわずかということになります。

この問題を解決しないと低賃金の問題は解決しません。外国人だから安くても応募してくれるというのは、最初だけで、いずれ働き手は疲弊しやめていきます。

特効薬になるのか

施設に、介護福祉士が一定数以上いないと介護保険の加算がされません。介護施設にとっては、外国人とはいえ、これらの人材が増えるのは助かるのでしょう。

しかし、介護業界に限らず、一番足らないのは末端の働き手です。職種別にみて一番足らないのは訪問介護員、次にたらないのが介護職員です。今回の改正では、介護福祉士の資格を前提に就労を認めます。しかし、一番不足しているところには人手は回りません。

雑感


こういった問題点はあるにせよ、問題解決の一端にはなると思います。今回の決定は、今後の在留資格の拡大の第一歩に過ぎません。

すぐに外国人が社内にいるのはあたりまえになってきます。
外国人とのつきあい方を、大いに考える必要がでてくると思います。