同じ国のスタッフで固めるか多国籍にするかという質問をよく受ける。私は、多国籍派なのだが、もちろんそれぞれの職種や職場の環境にもよるので一概に多国籍が良いとばかりもいえない。
多国籍にしたら?
多国籍にした場合、最初のネックになるのが言葉の問題である。一カ国であれば、一人か二人日本語の上手いリーダー的な存在がいると、あとはどうにかなる。これが多国籍だと、日本語がその職場の共通語になる。日本だからあたりまえの話なのだが、これがなかなか骨が折れる。成長してから覚える言語は母国語の癖が抜けない。つまりベトナム系の日本語やネパール系の日本語にならざるをえない。ありとあらゆる方言が飛び交い、しかもみんな言語能力はけっして高くないという事態になると、社内コミュニケーションが大変である。文化的軋轢のようなものも民族が増えれば増えるほど大変で、職場の担当者は国連の議長のようは立場のようになる。拒否権がないだけましと思うしかない。
単一国にしたら?
それでは単一国でスタッフを固めたときはどうなるのか。特定技能で外国人の上限が規定されているのは介護だけである。あとの職種にあっては、まったく制限がない。つまり外国人だけで構成されている職場もありうるということだ。そこで困ったことがおこる。前回長期休暇の違いにの話をした。同じ国のスタッフばかりを雇用するとその国の長期休みに一斉に休まれるのである。
また、一人リーダーがいると通常のときは良いのだが、職場の不満がたまったときにはリーダーから話がねじ込まれてくる。こういうリーダーは言ってみれば、さながら労働組合の組合長である。もちろん、耳を傾けなければならないことも多々あるはずなので、そういう部分には耳を傾けるとして、時には度を超した要求がでてきたりする。「みんな辞めると言ってる」みたいな話をされた経験が私にもある。
多国籍か一国主義かは、よくよく考えてすすめるべきだが、最初の戻ると、私は国より人、その結果多国籍になるのは仕方がないと考えている。