オフィスワーカーを雇用する場合には、技術・人文知識・国際業務という在留資格をもっている外国人を雇用するのが一般的です。いわゆるデスクワーク以外にも、デザイナー、営業職なども含まれます。ただし、小売店、飲食店の接客については対象ではありません。また、英会話学校の先生などもこの資格での申請が可能です。
【制度の概要】
技術・人文知識・国際業務の在留資格を取得できるのは、原則大学卒の外国人です。技術は理系、人文知識は文系の大卒者が就労する職種だと考えてください。その例外として、専門学校卒、10年の経歴などでも認められるケースがあるということです。また、国際業務とは、通訳、翻訳などの職種をさします。 外国人の要件
受入企業の要件
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ外国人を雇用する企業は、「技術・人文知識・国際業務」が求めている職種の範囲で仕事をさせなければなりません。オフィスワーク、BtoBの営業などを想像していただくとわかりやすいと思います。また、BtoCでも不動産、保険の営業などは「技術・人文知識・国際業務での就労が認められます。一方、コンビニ、飲食店のスタッフなどは該当しません。
製造業、小売り店舗、飲食店では、技術・人文知識・国際業務の在留資格を取得できないのでしょうか?
問題になるのは、業種ではなく、職種です。つまり、飲食業であっても、店舗開発、会計などの業務をするのであれば在留資格は付与されます。ただし、その外国人が現場業務にはつかないということを立証する必要があります。
採用して、工場での組み立て業務をさせても良いでしょうか?
絶対におやめください。不法就労助長罪という罪にとわれます。
- 事業活動に関し、外国人を雇用するなどして不法就労活動をさせる行為。
- 外国人に不法就労活動をさせるために、自己の支配下に置く行為
- 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為、又は(2)の行為に関しあっ旋する行為
これらの行為を処罰の対象とし、違反をすると3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はこれらを併科すると定められています。過失がなければ罪には問われませんが、逆にいえば過失があれば罪に問われます。知らなかったではすまされないということです。現場で労働させたい場合には、特定技能、技能実習の利用を検討ください。 特定技能で外国人を雇用するには?
会計につくということで新入社員には、全員研修として、工場で働いてもらってます。外国人には研修をうけさせられないのでしょうか?
入社時の研修として、工場勤務、店頭業務をさせることはあると思います。この場合、すべての新入社員がおこなうもものであること、期間が限定されているなどの条件が整っていれば、認められる可能性はあります。
外国人の要件
大卒(短大も含む)以上であれば、問題ありません。
例外1:日本の専門学校を卒業し、専門士の資格をもっている外国人は、履修した学課と密接な業務であれば、就労できます。
例外2:10年以上の経歴がある外国人は、その経歴の範囲の業務で就労することができます。会計であれば会計だけで10年がないと条件を満たしません。10年間で働いたすべての会社の在籍証明書を取り寄せます。
例外3:告示によって定められた情報系資格をもっている場合は、上記にあてはまらなくても対象になります。
出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令
出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号/技術・人文知識・国際業務の業務(抜粋)一
申請人が自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、従事しようとする業務について、次のいずれかに該当し、これに必要な技術又は知識を修得していること。ただし、申請人が情報処理に関する技術又は知識を要する業務に従事しようとする場合で、法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し又は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有しているときは、この限りでない。
【参考】出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令の技術・人文知識・国際業務の在留資格に係る基準の特例を定める件(出入国在留管理庁)