働くことができる在留資格

日本で働くことが出来る在留資格は細かく分かれています。
ここでは、主な在留資格を「日本人と同じように働ける資格」「決められた職種ならフルタイムで働ける」「週28時間のアルバイトなら可能」の3つに分けてご紹介します。

日本人と同じように働ける資格

日本人と同じように、何時間でも働けて、どのような職種にもつくことができる資格は4つあります。「どのような職種」という意味は、風俗のような業務であっても、日本人が適法に就労できる職種であれば、就労することができます。

永住者・特別永住者

在留期限のない資格で、期限の定めなく日本にいることができますし、日本人と全く同じ扱いをしても問題はありません。

日本人配偶者等

日本人の配偶者及びお子さん(等は子供を意味します)に付与される資格です。ただし、外国人と日本人のご夫婦の間に生まれたお子さんは、出生の瞬間から日本人です。一方、外国人の方の連れ子などはこの資格を取得することになります。気をつけなければいけないのは、日本人と離婚したときには、6ヶ月以内に別の資格に変更するなどの手続きをしないと資格を失います。当事務所にも時々相談がありますが、かなり深刻な状況ですので、従業員の方にそういう事態が発生したときは、早めにご相談ください。

永住者の配偶者等

永住者の配偶者、お子さんが取得する資格です。

定住者

どのような外国人に与えられるかは、「告示」という政府の発表に細かく定められています、定住者の資格をもつ外国人の中で、もっとも多いのは日系3世までの外国人です。また、難民申請が許可されればこの資格が付与されます。どの内容で許可されたとしても、定住者という資格であれば、雇用するときには問題がありません。

決められた職種であればフルタイムで働ける

職種が決められており、その職種の範囲であれば働くことができる資格です。

技術・人文知識・国際業務

いわゆるオフィスワークのための資格です。この資格では、工場、建築現場、飲食店の厨房やホールでは働くことはできません。しかし、製造業、建築業、飲食業のような業種がだめということではなく、あくまで、現場業務がだめということです。デスクワーク、営業職などが主な対象になります。例外として、新入社員が一定期間現場研修に従事するような場合には、認められることもあります。ただし、日本人も同じようにその研修を受けることが前提です。一方、この資格が取得できる外国人は、大卒か、日本の専門学校卒、もしくは10年以上の経験(国際業務は3年)があるか、いずれかの条件を満たす必要があります。技術は大学専攻でいうところの理系、人文知識は文系、国際業務は通訳、翻訳等にあたるのですが、大卒の場合には、履修科目と職種が違っていても、認められることが多いです。しかし、専門学校卒、10年の経験で申請する場合、専攻科目、経験してきた職種が、実際に就労するときの職種と一致していないと認められません。

企業内転勤

海外の関連企業から外国人を呼び寄せるときにこの資格を申請します。技術・人文知識、国際業務と就労できる職種と内容は同じですが、申請者の学歴の要件がありません。一方、本国で、その企業に1年以上在籍している必要があります。

特定技能

工場、店舗など現場労働が可能な在留資格です。この資格は、14の業種が指定されており、またその職種も指定されています。

「介護」「ビルクリーニング」「素形材産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」「建設」「造船・船用工業」「自動車整備」「航空」「宿泊」「農業」「漁業」「飲食料品製造業」「外食業」

 特定技能には1号と2号があり、1号で働ける期間は上限5年です。1号を終え、現場のリーダー的立場になることができる外国人は2号に移行できますが、2号が許可されるのは、現在のところ、建設業、造船・舶用工業の2業種だけです。(2021年11月現在)

特定技能に申請するためには、外国人はJLPTという日本語検定のN4資格とそれぞれの業種で行われる特定技能試験に合格する必要があります。例外として、後述する技能実習3年を良好に終えた外国人には試験が免除されます。

 また、企業の側からは、日本人と同じ待遇に加え、外国人をサポートをするための体制を構築する必要があり、そのサポート体制が整わないと許可されません。

技能実習

 技能実習というのは、本来「実習」であり、就労資格ではありません。現場で給料をもらいながら実習をし、技術を身につけ、その技術を母国に持ち帰ることを目的にしています。しかしながら、長い間、事実上の就労目的で運用されてきました。企業が単独で招聘する企業単独招聘型と組合などが管理をする団体管理型があります。一般的には、管理団体に依頼をして、斡旋してもらう方法をとります。

介護

 特定技能の介護とは違い、日本の介護福祉士の資格もつ外国人が申請できる資格です。滞在期限に上限もありません。介護福祉士の資格をもつ外国人が、適法な就労条件で介護施設ではたらくのであれば、問題なく採用されます。

技能

 外国料理のコック、パイロット、ソムリエ、毛皮商、宝石鑑定士など特殊な技能を使った職種に特価した資格です。

指定書によって就労資格が付与される

特定活動という在留資格があります。この資格はざっくりとした言い方をすると「その他大勢」とでもいう資格です。例えば、ワーキングホリデー、難民申請中の外国人、日系4世、高度な医療を日本で受けるために滞在している外国人、卒業した留学生が就職活動をする場合など、その種類は多岐に及びます。就労許可がある場合には、指定書という紙がパスポートに貼られ、その指定書の範囲で働くことができます。

週28時間のアルバイトなら就労可能

留学

日本語学校、専門学校、大学などに籍ををおく外国人は留学という資格で滞在しています。1週間に28時間しか働くことはできません。気をつけなければいけないのは、この28時間は1週間のどこから数えても28時間でなければなりません、つまり、どこかでまとめて働くというのは認められません。また、夏休みなど長期の休みには1日8時間就労が認められます。

家族滞在

技術・人文知識・国際業務や技能といった資格をもった外国人に扶養される家族がもっている資格です。包括的に、つまり仕事が決まっていなくても、週28時間働ける資格がもらえます。28時間が1週間のどこから数えても28時間でなければならないのは、留学と同じです。