偽装結婚と思ったら子供が生まれた

コラム:同僚は外国人「偽装結婚かと思ったら子供が生まれた」

「偽装結婚か?」と思う案件には時折遭遇する。

入管も我々も一番疑うのは年齢差である。さらに、他に引率者がいるときは要注意である。ブローカーではないかと疑うのだ。

今回も40歳以上年が離れており、日本人のご主人は年金暮らし、相手の女性は20代である。女性と同じ国の若者が同行してきた。最近でこそ年の差婚が日本でも増えつつあるが、さすがに40歳はなかなかお目にかからない。引率者がいるのだから、悪い条件はすべて整っている。印象は真っ黒である。偽装結婚とわかっていたら、取り次ぐわけにもいかない。
そこで、いろいろ尋ねるのだが、本人たちは「真剣な交際をしてきた」を言い張るので、「そんなこともあるんだね」と納得せざるをえない。案の定、1回目の申請は長い審査のあと却下である。
そこで、2回目に備え準備をすすめたのだが、なんと奇跡がおこった。子供が生まれたのだ。

民法第772条

(嫡出の推定)民法第772条 「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。」

こうなると、その子の本当の父親は誰であろうが、誰も夫婦じゃないとはいえなくなる。仕事の上では、なんとなく後味の悪い思いが残るのだが、生まれた来た子供に罪はない。元気で育ってほしいと願うばかりである。